なつめ(ナツメ・棗)について
なつめ とは?
名称 | なつめ、棗、ナツメ |
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英名 | Chinese-date、jujube |
分類 | クロウメモドキ科の落葉樹 |
用途 | ドライフルーツ、製菓材料、製パン材料、漢方原料、中華材料、ローフード食材 |
なつめは日本であまりポピュラーではありませんが、本場中国ではどこの市場でも販売されている果物です。
中国では、「紅棗・大紅棗」などと呼ばれごく普通に店頭で見かけます。
「1日3粒のなつめを食べると年をとらない」、「女性の元気は3粒のなつめから」という縁起の良い諺があります。 (この諺は1粒を3g前後のなつめを指すとも言われるので、サイズが大きいなつめであれば1日1粒に相当します)
なつめを食べる方は美容と健康のためという方がほとんどです。
また効能は、花粉症対策、イライラの解消、アンチエイジング、食物繊維を取るため、食欲不振に、妊婦の栄養補給など挙げればきりがないほどですが、それらを目的として食されている方もとても多く見受けられます。
最近では、エナジードリンクにも配合され、さらに注目を浴びるようになってきました。
なつめの生産・消費のほとんどは中国と韓国で占められています (中国での主産地は、河南省・河北省・山東省など中部、沿岸部で、ウイグル産のナツメは高級品として流通します)。国産のなつめも中部地方で収穫され一部出回っていますが、そのまま食べるには固くて酸っぱいので 、シロップにされたり煮たりして消費がなされています。
なつめの歴史
なつめは、アジア〜西アジアが原産だと言われています。
漢方の本場中国では数千年前から栽培がされ、古典の神農本草経になつめの記述があり、その薬効をすでに見つけ漢方として使用されていたそうです。また、なつめを五果(桃=もも、李=すもも、杏=あんず、棗=なつめ、栗=くり)の一つとして扱い、高麗人参や松の実とともに薬膳には欠かせない材料としても重宝されていました。
日本の歴史では、古く「万葉集」になつめの名があります。 そのころには、中国より渡来してきており既に名が知られるようになっていたと言われています。
新疆ウイグルでは、古代よりなつめは重要な栄養源として重宝されていました。 (シルクロードの中継地点で砂漠地帯であった事で、作物も育ちにくい為)
そして、品種改良も進み現在なつめの品種は数百を超えて世界に存在しています。
ナツメの開花〜収穫まで
なつめの開花は5、6月頃で黄色のきれいな花が咲きます。
その後に実をつけますが、生の果実は水気が多くリンゴのような食感でさっぱりとした味がします。 (ウイグル産の生なつめはとても美味しいです)
さらに熟すにつれて紅色になり、どんどん水分が抜けてしわっぽくなっていきます。 ※紅なつめと呼ばれるのは、品種ではなくこの紅くなったなつめの総称です。
その後、紅く熟したなつめを収穫して、1週間〜1か月ぐらい天日干しにします。
※当社のハミ大なつめと和田玉なつめは天日干し後に丁寧に水洗い。さらに高温でスチームをかけて「きれいにおいしく」しています。
なつめの種類 一覧
もりひさ屋のなつめ
完全無添加、無化学肥料で栽培。 そのままの状態でお届けするので、栄養素が損なわれていません。 大粒でふわっと柔らかなので、調理せず食べられるのが一番の特徴です。
蜜なつめ、水晶なつめ
砂糖や糖蜜または蜂蜜などに漬けたなつめ。 元に含まれていたビタミンCなど水溶性の栄養は失われてしまいます。 本場中国でも良く食されます。糖分が多いので、甘く美味しくそのまま食べられます。
紅棗、大紅棗
紅いなつめの総称。一般のなつめはほぼ全てこれに該当します。
一般的には1センチ程度のなつめが流通しています。
黒棗、黒なつめ、烏棗
紅棗を燻製したもの。通常のなつめよりも体を温める効果が高いと言われています。
当社の輝紫なつめ(キシナツメ)は蒸したなつめで、黒なつめと似たタイプの食べやすいナツメになっています。
なつめによく使われる添加物
(もりひさ屋のなつめは不使用です)
漂白剤・・・色が悪いなつめの見ためを良くするための添加物
保存料・・・製品の腐敗を抑えるために使われる添加物
砂糖・糖分・なつめを甘くして食べやすくするための添加物。結構な量が使われます。
なつめとなつめやし(デーツ)の違い
なつめは赤色をしており、英語でチャイニーズデーツ(Chinese-date)、またはジュジュベ(Jujube)と呼ばれます。
なつめやしは茶色がかっており、英語でデーツと呼ばれます。 味は、なつめがさっぱりとしているのに対し、なつめやしはねっとりとしてとても甘いのが特徴です。
それぞれの樹木を見てみると、一般のなつめは樹木が十メートルぐらいまで高くなります。
一方、なつめやしの木は名前の通りヤシのような形でです。違いがはっきりしています。
漢方で、なつめは大棗(たいそう)として利用されますが、なつめやしは利用されていません。一方、中東ではなつめやしが主流でなつめはほぼ見かけません。